新 チャリポタの自転車探訪記
■山中鹿介探訪記(8)
毛利の品川大膳が一騎打ちにひきょうにも飛び道具の
大弓を準備していた話の続きであります。
伊織介は、伝説の弓名人の那須の与一のことを考えておりました。
源平の合戦において、波にゆれる小さな扇の的を射落とした
与一のことであります。
今回は、扇のかわりに何を的にしたらよいのか、
伊織介はすぐに分かったのでございました。
矢が鎧を貫通できる間合いになって、
大膳が弓矢をおもいっきり引いた時です。
ねらいすました伊織介の矢が、
大膳の兜の上をかすめて通ったのでございます。
城下の者たちは、伊織介が的をはずしたものと
ばかり思ったのでしたが、
見事に大弓の弦を切ったのであっぱれ
さすが弓名人とほめたのでございます。
イラスト・文/チャリポタ