チャリポタの自転車探訪記 リポートで書けなかった裏話(ボツネタ大公開)
■米子の歴史の新資料はどこにあるか?
山陰歴史館で販売されている「亀尾文庫」の中に、米子の隠れキリシタンを紹介した一冊があります。
著者の亀尾さんは、池の水を抜き、底に現れた十字架の写真を撮って、図面にして見せていました。
隠れた米子の歴史がみごとに解き明かされるのを、チャリポタは胸踊らせて読みました。
それ以来、米子の歴史研究のパイオニアとして亀尾さんを意識するようになっていったのです。
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その尊敬する亀尾八洲雄氏に、偶然会うことができました。
米子の本通り商店街の職人市で、手製本の亀尾文庫を並べて販売しておられたのです。
「御本持っていますよ」と挨拶して、チャリポタは戸板の端から順に本を開いて見ていきます。
亀尾さんはどの本にも思い入れがあるらしく、一冊ごとに解説をしていただきました。
昭和3年生まれということですから亀尾さんは85才ですが、元気に今でも本を書いてるそうです。
次回作は、どんな歴史を明らかにされるのでしょうか。
チャリポタは、お会いしたらぜひとも聞いてみたいことがひとつありました。
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「亀尾さんは、誰も知らない様な資料を見つけてこられます。
米子の歴史の新資料は、いったいどこにいけば見つかるのでしょう?」
和服の似合う、優しいお爺さんという感じの、亀尾さんの目がキラリと光りました。
まさに聞いてほしかった質問をチャリポタはしてしまったようです。
すごい先人の言葉をいただけそう、と思って聞き耳をたてるチャリポタです。
「水戸黄門の格さんと助さんは知っとるかい。」
「ええ、知ってますが。」
「格さんたちは本当にいたんだ。」
水戸黄門と米子の歴史が、どう結びつくのでしょうか。
チャリポタには想像もつきません。
大先輩の亀尾さんが教えてくれます。
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「格さんたちは水戸光圀公の命で、全国を旅して古文書を集めていたんだ。
そのおかげで、地元にもないような米子の歴史資料が、水戸の資料館にあるんだ。」
チャリポタは敬服していました。
「米子の史料は、水戸より着払いで送ってもらうんだが、送料が高いねえ。」
米子の歴史を書くのに、大変なご苦労されていることがわかったのでした。
イラスト:水戸黄門の格さんと助さん
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文・イラスト/チャリポタ